連邦最高裁の物語、ここに(ひとまず)完結!
下巻は南北戦争終結後の南部の再建から現代まで。現代を考えるときに、その文脈としての歴史を知ることは重要です。現代の諸問題は、決して突然現代になって現れたわけではありません。本書では上下を通して「憲法」を軸に建国から現代までを一つの流れとして描いてくれるので、通読すると現代の諸問題が建国以来の議論の延長にあることがよくわかります。
引き続き物語りとして描かれる憲法の解釈史。上巻で用意された伏線の数々が現代の諸問題に回収されていく様子は非情にスリリングで、問題を個々別々に眺めていた時の疑問点が一気に解消されていく快感を味わいました。そして合衆国憲法を学ぶことが、政治経済から文化に至るまでのアメリカ理解に大変有用であることをこの本から教わりました。
……なんてそれっぽく書いてしまいましたけども。個人的なことなんですけど、これを読んだら、スタートレックが100倍面白くなりました(もとから好きだったんですが)! あれって「システム」としての国家のいろんなシミュレーションとして観ることができるんだね! きっと、スタトレだけじゃなくて、いろんなものが新しい見方で見えてくる気がしてます。読んでよかった! アメコミなんかも読み直そうっと。
最高裁人事がアメリカ政治の焦点となる訳
アメリカでは,同性愛行為や女性の中絶を法律で禁止している州が今でも存在します。
こうした法律を支えるのは,宗教的背景を持つ保守主義的世論です。
世論が支える法律も,憲法の保障する人権を侵害することはできません。
人権侵害による憲法違反があるかどうかを最終的に審理するのが(連邦)最高裁判所。
その裁判官として保守的な人物を送り込めば,保守的な政策は当分の間,維持されるわけです。
ブッシュ・ジュニアは,この最高裁判事任命権を2度も行使できる幸運に恵まれました。
現代アメリカ政治を読み解くキーが合衆国憲法,さらにはその番人たる連邦最高裁判所にあることを余すことなく伝えてくれる本です。
読売・吉野作造賞受賞。
良本
本著は新たな視点でアメリカ史について学べます。 上下巻となっておりますが、読みやすく完結に まとめられており、アメリカに興味がある人には お勧めです。
アメリカ憲法史
南北戦争以後今日までのアメリカ史を、憲法の解釈が争われた 重要な事件に焦点をあてて綴った本です。上巻は、連邦と州の権限の問題や奴隷問題など、どちらかといえば アメリカ固有の問題が中心なのですが、下巻では司法審査の役割や プライバシー権の問題など、日本でも共通する問題が扱われています。 また、「明白かつ現在の危険」の基準や「現実の悪意」の法理、 アファーマティブ・アクションなど日本の憲法学説でも参考にされている 理論を扱った判例が紹介されているので、憲法を勉強している人にも 参考になるのではないでしょうか。 ただし、アメリカの歴史の流れの中で、最高裁が判決を通じてどのような役割を 果たしてきたかを紹介することが本書のテーマであるので 判例の理論の紹介はそれほど詳しくはありません。 もちろん、アメリカ史またはアメリカという国に興味を持っている人にも 参考になることは言うまでもありません。 上下巻を通して読めば、アメリカの歴史の流れの中で、最高裁が判決を通じて どのような役割を果たしてきたかを通史で概観することができますが 上に挙げたような現代的な問題に興味がある場合は 下巻だけを読んでも問題ないように思います。
PHP研究所
憲法で読むアメリカ史(上) (PHP新書) アメリカ憲法入門 (外国法入門双書) 英米判例百選 [第3版] <別冊ジュリスト139> ザ・フェデラリスト (岩波文庫) アメリカン・ロイヤーの誕生―ジョージタウン・ロー・スクール留学記 (中公新書)
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